サウンド・ベル?
スタインウェイのセミナーで知りましたが、サウンドベルと言っているのは日本だけで本来はトレブル・ベル(高音のベル)というのが正しいそうです。
また、いわゆるサウンドベルが鉄骨の響きと共鳴して支柱に伝え、高音の輝かしい響きを増幅する云々は違った話で、本当は高音部の鉄骨が浮き上がってくるのを押さえるためです。
更にまた、いわゆるサウンドベルが付いているのは、支柱の構造によりA型より大きなものだけ。
と言って、O型より小さいモデルがスタインウェイの音がしないわけでは、もちろんありません。
なかなか極東の島国には、西洋文物の正しい情報が伝わりにくい、と不勉強を棚に上げて言ってみたいところですが、ここまでネットが発達している今日この頃、古くなったセリフなのかもしれません。
調べればすぐにわかるものをすぐに調べないところに原因があるので御座います。
愛人ポンパドゥール
高級フランス料理店に行くと、リモージュのお皿に出会うことがあります。
18世紀初頭にドイツのマイセンが開業しました。それに対抗してフランスのセーヴルやイタリアのジノリも開業します。
マイセンはヨーロッパ白磁の頂点といわれますが、中国の五彩磁器や日本の伊万里焼や柿右衛門の模倣から出発しています。
イギリスでは白色粘土カオリンが入手困難だったので、ボーンチャイナ(牛の骨)が開発されました。
有名なウェッジウッドは透き通るガラス質の磁器ではなくて、クリーミーな陶器です。
磁器のほうが高温で焼かれるので、ピンと叩くと硬い高音なのが磁器、柔らかな低音なのが陶器です。
有名ブランドではマイセン、ジノリ、リモージュ、ヘレンド、ロイヤルコペンハーゲンなどが磁器です。
1756年にセーヴル窯は、ルイ15世の愛人のポンパドゥール夫人に庇護され王立セーヴル製陶所になりました。
ルイ15世(1710~74/在位1715~74)はブルボン王朝晩年のフランス国王で、14世の時代から引きずった財政危機に瀕して苦渋の人生を送ったようです。
国の問題を表面的に取りつくろっただけで、実際には何も解決していなかったと言われています。
ポンパドゥール夫人は音楽史ではブッフォン論争で有名です。
ブッフォン論争は、わかりやすいイタリアオペラか、格調高いフランスオペラか、どちらが本来あるべき姿か?の論争です。
ポンパドゥール夫人がフランスオペラ擁護者で、王妃がイタリアオペラ擁護者だったので、ブッフォン論争は愛人と正妻(王妃)の対立構造であるとの見方もあります。
また、ポンパドゥール夫人は気弱な王を操ったとも言われています。
ルイ15世は、高級磁器をイメージするような現代スタインウェイデザインのモデルになっています。
フィボナッチ数列
マグダラのマリアがキリストの奥様であるというのは秘密でしたが、レオナルド・ダ・ヴィンチにほのめかされ、その秘密を公開してしまったのが、ダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』のようです。
『ダ・ヴィンチ・コード』冒頭のシーンでは、有名な数字配列「フィボナッチ数列」が暗号として使われています。
フィボナッチ数列とは、1、1、2、3、5、8、13、21。2つの数字の合計を並べているにすぎない数列で、0+1=1、1+1=2、1+2=3、2+3=5、3+5=8。
有名になったのは、隣合う数字の大きい数字÷小さい数字=1.618(黄金比の比率)に近づくから。
黄金比を知れば神に近づける、と言われます。
イスラエルを統一し、エルサレムを都としたイスラエル王ダヴィデをモデルとしたミケランジェロの代表作も黄金比を巧みに使っているようです。
自然ともつながりがあって、花や葉、カタツムリの渦巻きはフィボナッチ数列によると言われています。
また、正方形の中に最大の丸い円を書くと、円の面積が78%、円以外の正方形の面積は22%です。
この比率はユダヤ商法にも使われているようです。
宇宙とは実は何かの法則で出来ているのかもしれません。
ピアノの外装は、ピアニストに芸術的インスピレーションを与えるものとして、デザインされているものがあります。
スタインウェイにフィボナッチ数列によってデザインされたものがあり、自然や宇宙につながるピアノを連想します。