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Technician

 

ピアノにお墓がないのは何故かと考えると、結局は取り換えが出来るものと見なされているということで、人の場合は勿論、最近はペットのお墓もあり、取り換えが出来ないかけがえのない命、ということだと思います。

ちなみに霊魂は生まれ変わるという話になると、大抵はあの世があって生き返る、来世があるとかの話になると思いますが、この世の代償はあの世につながるみたいなことになって、この世の行いはあの世で恰も金融商品かのように精算される、霊魂は永遠で今世の身体は高性能アバターのようなもので、限りなく変身を繰り返す、みたいなことになると思います。
この世があの世で精算されるなら、この世はある意味で取り換え可能、無限にループするなかの単なる1回の人生でしかないかのようになってしまう。

逆にこの世が1回きりであると考えるなら取り換えは出来ない、良くても悪くても1回きり、ということになる。

キリスト教はあの世のことを言っているようですが、イエス自身はこの世のことだけしか言っていないようです。

ピアノは欧米で誕生したわけですが、イエスの影響が強いのか、キリストの影響が濃いのか、どちらなのでしょうか。

ただ、ピアノ技術者はピアノをキリスト的に考えることが多いし、イエス的に捉えてしまうと厄介なことになってしまうと思います。

CFⅡ

 

晩年のグレン・グールドは夏目漱石の『草枕』を愛読し、「二十世紀小説の最高傑作」と絶賛されていたとのこと。
『草枕』は、住みにくい人の世を芸術の力で打破できぬかと思案する青年画家の話ですが、古風な東洋趣味の小説というよりも、奇妙な小説。

『草枕』が書かれた明治39年は日本のピアノが誕生した頃で、山葉寅楠がアメリカにいった7年後くらい。
ピアノつくりはひたすら欧米の文物を学ぶことだったと思いますが、漱石は西欧的思考の根源的な矛盾を発見した最初の日本人。
『草枕』は普通の文学とは違って、何かを表現するというではなく、たんに多彩な言葉で織られた文章。「智に働けば角がたつ。情に棹せば流される。」の意味を探すべきではないのこと。

グールドは、コンピューターに優るエレクトリック・マシ-ンとご自慢のヤマハCFⅡで『ゴルトベルク変奏曲』再録音やブラームス『バラードとラプソディー』などを録音。
優れたエレクトリック・マシーンCFⅡでの録音は、どことなく人情があるかのように聴こえる演奏ですが、逆にそれ以前のスタインウェイでの録音はどちらかというと、ひたすら多彩な音で織られた「非人情」の演奏ように個人的には聴こえます。

「物は見様でどうにもなる、音はどうとも聞かれる、余裕のある第三者の地位に立てば面白い」です。

浜松

東京アラートが解除されることを願っておりますが、自粛中には多くの録りためたTVを視聴。中でも今年始め頃のブラタモリ、なぜ浜松が楽器の町になった♪が、とてもよかったです。

 

徳川家康が東の武田信玄に対抗して浜松に城を建てる。洪水が起こりやすい天竜川では綿花栽培が適していた。織物をするようになり織機をつくる木工職人が集まる。織機とオルガンはペダルの感じがどことなく似ている。明治維新後にオルガンが来て、故障したオルガン修理に成功した山葉寅楠はピアノつくりを目指すようになりアメリカに5か月の見学。


TVに米ピアノ会社名は出ませんでしたが、キンボール、メイソン・アンド・ハムリン、スタインウェイ・アンド・サンズなど視察したようです。

 

かつて浜松は木材の一大集積地で南アルプスから天竜川で運んだ。
楽器用木材の乾燥には遠州の空っ風が適していた。

 

旧軍時代、飛行機のプロペラは木製で日本楽器製、つまりピアノの木工技術で作られていた。

やがて金属製プロペラになり、その金属加工技術は管楽器に活かされていく。

 

との話が45分に凝縮されていました。
ともすると部分的に小難しくし過ぎてしまうのではなく、大きな流れをわかりやすく、ざっくりと捉えていくことがとても大切であると感銘いたしました。

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