アメリカンピアノ
一説によると、ぺテロの弟子はカトリック、パウロの弟子はプロテスタント、ヨハネの弟子はフリーメイソンであるといいます。
フリーメイソンは16世紀後半から17世紀初頭に、判然としない起源から起きた友愛結社といいます。
20世紀になり、ある集団に乗っ取られましたが、19世紀までは極めて優れた人々の集まりであったらしいです。
モーツァルトがフリーメイソンであるのは有名で、『魔笛』でフリーメイソン儀式を描いたと噂されます。最近ではオペラ冒頭にタミーノが日本の狩衣をきて登場する、つまりタミーノは日本の皇太子、日本との不思議な関係もあり、聖徳太子の「未来記」にオペラ『魔笛』とそっくりな話があるようです。
キリスト教も仏教もフリーメイソンも、ミトラ教に起源があります。
聖徳太子伝説はキリストのパクりともいわれますが、キリスト伝説はミトラ伝説に酷似しているので(象徴としての十字架、クリスマス、メシア信仰、友愛、その他諸々)、キリストと仏陀と聖徳太子の伝説が似ているのは、そう考えると不思議ではありません。
ただ、日本の狩衣を着た王子が『魔笛』に出てくるのは、やはり不思議です。
モーツァルトがサリエリに殺された映画「アマデウス」は有名ですが、この話はかなり眉唾物です。
宮廷楽長サリエリがモーツァルトに嫉妬するわけがありません。
また、『魔笛』でフリーメイソンの秘密をバラしたのでフリーメイソンが妻のコンスタンツェに毒殺させた説もあります。
しかし、この説はフリーメイソンだけを一方的に悪と決めつける側から見た話である可能性もあると思います。
本来のフリーメイソンは反カトリックですが、理性的、科学的なプロテスタントであるようで、その思想はピアノと親和性が高いはずだと思います。
アメリカ人はフリーメイソン会員が多いと聞きますが、アメリカのピアノはとても合理的に出来ています。ある時期からのヤマハはスタインウェイの影響が強いと思いますが、どちらのメーカーも耐久性にとても優れています。
それは大きくは、鉄骨と支柱の構造によるものと思います。
新品の音質音色云々ばかりが重視されがちに思いますが、最も大切なのは耐久性です。
アメリカにはスタインウェイの他にメイソン&ハムリンやボールドウィンなどもありますが、グランドピアノは日本であまり見かけません。
案外、いい感じの音とタッチなのではないかと想像します。
スタインウェイもハンブルグ製ばかりですし、アメリカンピアノにあまり出会えないのは、何故だかわかりませんが残念に思います。
参考文献
「フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした」 副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所 著
「シリウスの都 飛鳥 日本古代王権の経済人類学研究」 栗本慎一郎 著
「フリーメイソン」 荒俣宏 著
「石の扉 フリーメイソンで読み解く世界」 加治将一 著
「蘇我氏はシルクロードから渡来した 飛鳥文化のルーツはメソポタミアにあった」 久慈力 著
「ロココのスカートをまくった男モーツァルト」 永竹由幸 著
月刊「ムー 2016年5月号」