美しい空虚
京都に住み、睡眠薬濫用で危ういときに執筆された『古都』は旅行前に読んでおくべきでした。
絶望的な状況の夢想は明晰で、限りなく優美に燦爛する。
ダイアローグに物語る谷崎にくらべ、モノローグで和歌的な川端。
最近、「The Real Chopin」という古楽器による全集を聴きました。
ダイアローグなベートーヴェン?よりモノローグなショパン?の方がピリオド楽器の、音圧なく濁らず透明な響きに合うように思いました。
どうにもならないときの作品ほど。
「傍に眠っていましたとき、あなたの夢をみたことはありませんでした」
作品と状況は残酷に対比する、愛と悲劇も。
2022年11月30日│お知らせ,ブログ