希望
今現在充実しているときに希望なんて言葉、思いつきもしない。希望という言葉を発するときは不満や絶望がある。「砂の女(4) 100分で名著から」
芥川賞作品は文藝春秋ならインタビューや選考委員のコメント付きだけど、単行本は読みやすくて先行販売。迷うところです。
私が今まで読んだのは、『岬』『限りなく透明に近いブルー』『蛇を踏む』『蛇にピアス』『インストール』『土の中の子供』『乳と卵』『スクラップ・アンド・ビルド』『爪と目』『コンビニ人間』『紫のスカートの女』『おいしいごはんが食べられますように』程度です。
全体にスッキリ気持ちよくというよりは、何ともいえないものを抱えながら現代を生きてみての読後感。
短編でさっと読めるようで消化しにくい。同じ文豪でも賞作品はわりととらえにくく、凝縮して謎めいている。
暗部をみない明るさで装いその場かぎりになるのでなく不満や絶望に直面し、探し宛て行き着いた節目で脱け出したばかりのところが結末で、絶望の向こうは爽やかだけど希望というほどには先行きがない。
ピアノ業界も一見行き詰まっているようでいて、次の時代に突入しているのかもしれません。