グレーゾーン
物事の白黒をはっきりつけたがる人は情緒不安定になりやすいと聞きます。
ハッキリとしないグレーゾーンに耐えられないと、そうなりやすいようです。
平均律は濁った響きがして、純正律が本来美しい調律であるという話があります。
実際は特定の調しかキレイにならなかったり、和音によって響きがそろわなかったりしますので、実用的ではありませんが。
バロック以前には平均律は使われていないらしく、いわゆる古典調律が使われていたようです。
今よりも、キレイな響きで演奏されていたと聞きます。
教会音楽的なものが多く、神の完全なる美を表現するには、まじりけのない純粋な響きが合っているのかと思います。
また、ピアノよりオルガンやチェンバロの方が美しい響きであるとのことも、宗教音楽的にはわかる気がします。
ピアノはイタリアで発明され、ドイツの主にプロテスタントの人々により発展したといいます。
調律も徐々に平均律に近くなっていったようです。
平均律はキレイな調律ではない、ピアノはキレイな響きのする楽器ではない、という話を聞くことがあります。
ただ、完全なる神を表現するのではなく、不完全な人間的感情を表現するのには、平均律やピアノは合っているかもしれません。
ピアノで演奏されるバッハやスカルラッティは、感情表現に優れているように思うのですが。
心が青いと書いて情、感情に振り回されて生きるのが人間。白黒つかないグレーな調律と楽器が適しているように思います。