理想
とうに弾かなくなった古いアップライトが残っているので、a1の有効弦長を測ってみたら425㎜でした。
「a1のインハーモニスティーは0.5~0.6セントの間に存在すべきである。0.5セントのとき、響きはやわらかく、歌うようである。0.6セントのとき、響きは鋭く、かたくなる。」と、ドイツの教科書に書かれています。
私のグランドのa1は弦長410㎜なので標準ですが、アップライトの425㎜は長過ぎなのでインハモは低すぎます。
弦の太さで調整出来るかというと、インハモは弦の太さの2乗に比例、弦の長さの4乗に反比例するわけですから、弦長が最も影響します。
2台近くにあって、弦をチッピングしてみると音の違いがわかります。
ドイツ教科書の通りでないイレギュラーなピアノは、それなりに多くあると思いますが、無理に理想通りにするのでなくオリジナルを尊重するのも大切かと思います。